MADE in HOTANIを新たな文化に。
枚方・穂谷産フレッシュホップ使用のクラフトビール「THE HOTANI CRAFT」
2021年4月、にほんの里100選の大阪 枚方の穂谷で初となるホップ栽培と、サステナブルなクラフトビールづくりがはじまりました。
販売:オンラインショップ・イベントなど(実店舗はありません)
公式サイト:https://kanpaicompany.com/thehotanicraft/
オンラインショップ:https://kanpaistore.official.ec/
Instagram:@the_hotani_cr
「THE HOTANI CRAFT」の原料へのこだわり
枚方で唯一、関西でも希少な国産フレッシュホップを農家「ひらかた独歩ふぁーむ」と提携して栽培。
土づくりから日々の管理まで手塩にかけた栽培管理によって、質の良いホップを穂谷で育てています。
原料に使用しているホップの種類は、カスケード。
柑橘系の爽やかな香り、しっかりとした苦味を引き出すアロマホップの代表と言われる品種です。
穂谷は少し前まで枚方最後の酒造があった場所で、実は、ビールの質を決める水にも恵まれた土地なのです。
カンパイカンパニー代表の光延さん曰く、将来的には水や麦も穂谷産を使用したいと考えているそう。
THE HOTANI CRAFTのデザインへのこだわり
並べると美しいラベルデザインは穂谷の里山の原風景。
季節ごとに移り変わる里山の姿をありのままに撮り下ろし、ラベル自体が穂谷の小さな写真館になっています。
写真を撮影するのは、YUKO KADOKAWAさん。
枚方出身のフォトグラファーで、祖父の代から受け継ぐ穂谷の畑に現在も通っています。
次はお待ちかねの、ビールの詳しい紹介です!
これまでに販売されたクラフトビール
03「霞音KANON」330ml/770円
カスケード、エニグマ、シムコーの3種のホップに穂谷産カスケードホップを加えた
「HAZY IPA」というスタイルのクラフトビール。
ドライホッピング(熟成段階においてホップ加える製法)によって、ホップの香りをより強く際立たせています。
オーツ麦特有のヘイズ(濁り)とジューシーな味わい、控えめな苦味が特徴なドリンカブルな仕上がり。
04「茜音AKANE」330ml/770円
複数のカラメルモルトをベースに穂谷産カスケードホップを加えた
「AMERICAN RED ALE」というスタイルのクラフトビール。
赤みを帯びた琥珀色のボディの中に、芳醇な麦芽のフレーバーと、
しっかりとした苦味が感じられる、飲みごたえのある仕上がりになっています。
05「小白KOHAKU」330ml/770円
小麦麦芽を50%使用した白ビールの王道「 WEIZEN(ヴァイツェン)」。
白濁のボディ、柔らかな泡立ち、苦味の少ないまろやかな口当たりと、
ヴァイツェン酵母が醸すバナナにも似たフルーティの香り、ほのかなクローブのようなスパイシーな香りが特徴です。
※商品説明はオンラインショップより引用
今後、枚方市杉地区で栽培されているすももを使ったクラフトビールの企画も進んでおり、改めてひらいろでも取材させていただきます!
今後登場するクラフトビールも楽しみですね!
ここから先は、そんなビールを作るカンパイカンパニーの代表である
光延(みつのぶ)さんにお話を伺いました!
クラフトビールのプロジェクトを始めたきっかけ
カンパイカンパニー代表の光延具視さんは、普段は別のお仕事をしながら仲間と一緒にクラフトビールのプロジェクトの活動を進めています。
私自身、枚方に長く住んでいますが、枚方にはちょうどいい手土産が少ないなとずっと感じていたんです。それで持っているスキルを活かしながら、自分で作れないかなと考えていて。
その時、ちょうどテレビで違う町のホップ栽培の特集を見て、枚方でもできるんじゃないか、やりたいなと思ったのがきっかけですね。
カンパイカンパニーについて
メインの運営メンバーは5人。最初に集まったメンバーは枚方市内の同じ小学校や中学校に通った同級生たち。
そこに仕事仲間であるデザイナーが加わり、今の体制になったそう。
「カンパイカンパニー」という会社名の由来は、乾杯の場面に似合うビールを作りたかったから。
お祝いや家族が集まるシーンで、枚方の人が枚方のビールで乾杯する。そんなシーンが当たり前になればいいなと。
まずは地元の人に知ってもらって、飲んでほしいという気持ちです。
枚方でのビール作りが生み出すつながり
お話を伺っていくと、「つながり」というキーワードが見えてきました。
はじめる時はホップを誰に育ててもらうかも、ビールをどこで作るかも分からないような、白紙からのスタートでした。今では農家さんと繋がってホップを育ててもらったり、違う農家さんからも副原料の収穫をさせてもらったり。
協力してくれる人や関わってくれる人が増えて形になっていくのは、楽しさを実感できるところでもあり、励みにもなります。
ビールを買ってくれた人の中には、活動に共感して手伝うよって言ってくれる人も。普段の仕事とは違うコミニュティや、つながりができるのは面白いですよね。
今後はその「つながり」をどう育てていきたいですか?
6月のすもも(副原料)の収穫や7月のホップの収穫も、一般の参加者の皆さんにも入っていただくつもりです。
ようやくそういう参加型のイベントをやり出したので、もうちょっと仲間を増やしていきたい。そこに参加した人が知り合いに話してくれたり、勧めてくれたり。いい輪が広がればいいと思ってます。
穂谷を知ってもらうためのブランディング
ラベルのデザインや写真も特徴的ですが、どういった経緯でこの形に?
枚方に里山の原風景が残っている場所があるっていうのを、穂谷を知らない人にも写真から知っていただけたら嬉しいと思っています。
写真を撮ってくれているのは、おじいさんの代から穂谷に縁のあるカメラマンの方なんです。
あとは、実はビールの箱の中にも、ラベルに使っている写真をポストカードにして同封しています。アナログですけど、いいかなと。
ビールの名前にも独特の雰囲気を感じます。みなさんで考えているのでしょうか?
実は僕、本業がコピーライターなんです。だからじゃないけど、僕が案を考えて、メンバーに提案する感じで。
スタイルの名前だけだと自分たちにも手にとってくれる人にとっても、愛着が持ちにくいかなと思って、印象的な名前をつけるようにしています。
枚方じゃなくて、あえて穂谷を冠につけたのは(THE HOTANI CRAFT)、土地の名前をこのビールを通して知ってほしかったから。
もっと穂谷の知名度が上がってきたら、穂谷と枚方で連想してもらえるといいですよね。
先週、カメラマンと一緒に穂谷で写真を撮るっていうイベントをやりました。樟葉駅や枚方市駅近くから来てくれた人も多かったんですが、初めて来た人がほとんどで。そういう機会やビールから、もっと枚方にこういう場所があるんだなっていうのを知ってもらいたいです。
ホップ栽培が広げる可能性
ビールを語るのに欠かせない素材のホップ。使っているホップについて教えてください!
僕らが作っているのは、アメリカ系のホップの中でもメジャーなカスケード。コンサルティングをお願いしている山梨のホップ農家さんにアドバイスを聞く中で、虫や気候の変化にも強い品種であるカスケードがいいのではと助言いただきました。
クラフトビールの王道であるペールエールによく使われるホップなので、汎用性が高くて使いやすいのも魅力です。
収穫の流れはどのような手順ですか?
まず一年目はきちんと土を作ったところに、ホップの苗を植えます。わかりやすく言うと球根のようなイメージでしょうか。初年度は二月や三月くらいに植えて、四月には芽が出ます。ある程度の長さになってくると、縦に誘因する必要があるので、四メートルの紐を真っ直ぐに張って、そこにツルを沿わせて上げていきます。
一年目は出てきた芽をすべて伸ばして。二年目は地中で冬を越した苗が大きくなり、初年度よりもたくさんの芽が出てくるので、その中から元気な芽を途中で選定しつつ、いいツルだけを残してを伸ばします。
五月くらいにまた誘因作業をして、あとは紐に沿わせてツルがてっぺんまで届いてくる頃になると、ホップの元になる花がつきます。それがやがてホップになって。ビールの香りや苦味の元になる、ルプリンっていう黄色の粉がホップの中にしっかりつくまで。成熟するまで一ヶ月くらいですかね。
今年だったら7月の中旬くらいに収穫をするという流れです。
収穫の際に大変なことはありますか?
収穫の時は脚立で上まで登って、麻紐をばちんと切るんです。下も1メートルくらいで切って、ツルをまるごとテントに運んでから、一つずつホップを手摘みする。
2日間に分けて、1日目はこっちの1列で2日目はもう一列。一気にまとめて収穫します。
今実っているホップもあれば、下の方で花がつき出したばかりのものもあって、収穫のベストな時期の見極めはいつも難しいです。
また、雨が降ると収穫をすることができないので、梅雨時と重なる収穫時期は天気予報とのにらめっこになる感じですね。
↓実際に2022年7月17,18日に行われたホップの収穫の様子。
そこから、ホップがビールになっていくまではどのような工程でしょうか?
ビールの基本の原材料って、水と麦芽とホップと酵母なんです。ホップの役割としては苦味や香り付け。作り方としては水と麦芽を混ぜてから煮沸して、ビールのもととなる麦汁をまず作ります。
その麦汁に粉砕してネットに入れたフレッシュホップをやさしく入れていきます。そこに酵母を足して、1ヶ月ほど寝かす。
そんな流れでビールはできあがるので、言ってしまえばホップはスパイスに近いんです。あくまで水と麦がメインなんですけど、でもビールの個性はホップや酵母の個性で決まるとも言われています。
今後、この場所で作るホップをどのように活かしていきたいですか?
ホップは多年草なので、地中の苗はどんどん大きくなってこの冬には株分け、それが子どもとなって次につなぐという流れが生まれます。うまくいけば、また別の農地や場所でホップ栽培が広がっていくことも期待できます。
ここで作ったホップが他の市町村や醸造所で使ってもらえると、穂谷のホップの知名度も上がるので嬉しいことですし、穂谷の遊休地の活用などにも将来つながっていくといいですね。
収穫の体験も増やしていく予定ですか?
ひらかた独歩ふぁーむさんにはもう一つ畑があるんです。
そこでは下の写真のように試験的にアーチ型の骨組みでホップを栽培しています。
既存の設備を使っているので管理もしやすく、うまく育てば高い脚立に乗らずにできたものから収穫できるようになるかもしれません。
そうすれば、もっとたくさんの人にホップ収穫を体験してもらえるようになりますね。
僕らの今までのホップの収穫体験は二日間で終わっちゃうんです。でもこの形だと、できたところからホップを取っていけるので、長い間体験してもらえる。
そうすれば、たくさんに人に体験していただけるのでもっとホップやクラフトビールを身近に感じてもらえるようになっていったらいいなと思います。
これからの目標
今は委託醸造なので、早く自分達の醸造所を作って原価を下げて、もっとお求めやすい価格で、枚方生まれのクラフトビールを提供できるようにしていくのが目標です。
あとはなるべく地元の果物やホップを使って、僕たちが届けられる価値をこれからはもっと追求していきたいなと思っています。
枚方、穂谷、それぞれの土地の風土や文化が、生かされたものをより多く作っていきたいです。
今後のカンパイカンパニー、そして「THE HOTANI CRAFT」から目が離せませんね。
これからも穂谷・枚方発信のビールを楽しみにしています!
光延さん、お話ありがとうございました!
THE HOTANI CRAFTからのメッセージ
THE HOTANI CRAFTの売上の一部は穂谷の里山保全のために役立てられていきます。
1本のクラフトビールが、やがて遊休農地の活用や新規収納支援、枚方の町の新しい魅力づくりなど持続可能な社会作りに繋がっていってほしいというのが願いです。
これからもみんなの”おいしい”を求めて、さまざまなスタイルのクラフトビールをリリースしていきます。
作り手の想いが詰まった、枚方でしか手に入らない特別なビール。
ビールを飲みながら、健やかで美しい枚方の里山に思いを馳せてみては?
販売:オンラインショップ・イベントなど(実店舗はありません)
公式サイト:https://kanpaicompany.com/thehotanicraft/
オンラインショップ:https://kanpaistore.official.ec/
Instagram:@the_hotani_cr
記事は取材時点の情報です。最新情報は各webサイトなどでご確認ください。
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