珈琲焙煎所KAORU COFFEE ROASTERYの2人が大阪府枚方市の友好姉妹都市、沖縄県名護市にあるコーヒー農園を訪れた旅をレポート!

目次

KAORU COFFEE ROASTERYがゆく!枚方市の友好都市「名護」国産コーヒーの産地を訪ねる旅

みなさんは日本国内でもコーヒーが栽培されていることをご存知ですか?

コーヒーが栽培できるのは、赤道に近いコーヒーベルトと呼ばれる熱帯地域。日本は、沖縄や奄美、小笠原諸島の島々がその北限ギリギリに位置し、いくつかの農園でコーヒーが栽培されています。ここ数年は、世界的にも品質、香味ともに優良と認められるスペシャルティコーヒーを作る農園も誕生し注目を集めています。

※スペシャルティコーヒーとは、世界トップレベルのコーヒー。流通するすべてのコーヒーのわずか5%未満と言われています。

今回ご紹介する枚方市の友好姉妹都市、沖縄県名護市にある宮城禎明さんが営む農園もその一つ。宮城禎明さんは、沖縄琲生産組合の組合長で国産コーヒーを語る上でなくてはならない人です。


今回はひらいろ特別企画として、お店紹介の記事でも紹介したことのある大阪府枚方市の枚方公園にある鍵屋別館に店を構えるコーヒー焙煎所KAORU COFFEE ROASTERY(カオルコーヒーロースタリー)のカオルさんイクコさんの2人が、沖縄県名護市の宮城さんのコーヒー農園を訪ねた様子をリポートします!

ひらガール

ひらいろ編集部がKAORU COFFEE ROASTERYにおじゃまして、沖縄のコーヒーを巡る旅のお話を聞いてきました!

(左)カオルさん・(右)イクコさん
KAORU COFFEE ROASTERY概要

●KAORU COFFEE ROASTERY
場所:大阪府枚方市堤町10-24枚方鍵屋別館204号室
電話:070-8484-3561
営業時間:カフェタイム13時~16時
定休日:日曜日・月曜日(火曜日・水曜日は豆販売のみ)
アクセス:枚方公園駅から徒歩4分
公式サイト:https://www.kaorucoffee.com/

沖縄県名護市のコーヒー農園を訪れたきっかけ

KAORU COFFEE ROASTERYのお2人が名護市を訪れたのは2023年1月下旬。枚方は寒波で雪が降っていましたが、名護市は桜の咲く季節です。

自分達が珈琲のお店をやっているからには、一度はコーヒーの産地を見てみたいという気持ちがずっとありました。

でもコーヒーの産地として有名なブラジルや中米のあたりって危険なところが多いんです。聞いた話だと山奥に入っていく山道で、山賊に出会ってしまうこともあるとか!怖いですよね。

でもやっぱりどんな風にコーヒーの実が出来ているのか見てみたいし、食べてみたいし、収穫の様子も見てみたいな……とずっと思っていました。

そうしたら、たまたま読んだコーヒーの雑誌の記事で、沖縄のコーヒー農園で収穫と焙煎の体験が出来るというのを見かけて。気になって沖縄のコーヒーのことばかりを探っていたら、去年の夏にスペシャリティコーヒーの認定を受けたところが名護市にあったんです。
名護市って枚方の友好姉妹都市でもあるし、行ってみよう!と即決しました。
…思い立ったものの、情報量が少なくSNSを駆使してなんとかメッセージを送って、やっとのことで宮城さんと連絡を取ることができたのです。


宮城禎明さんのコーヒー農園

宮城さんは沖縄珈琲の生産組合の組合長をされていて、日本のコーヒー農園を牽引している存在。最先端の状況や今後の展望なども聞くことができたそう。沖縄には他にもスペシャリティコーヒーをつくる農園もあり、バリスタチャンピオンの方もいるなど、コーヒーに熱い想いを持った方が集まっているのかもしれません。

宮城さん

農園があるのは名護市の中でも山の奥深くまで入ったところ。沖縄はコーヒーの栽培に適したコーヒーベルト(赤道を挟んで北緯25度から南緯25度までの一帯)の北限ギリギリに位置しており、コーヒーを栽培する環境としては、決して恵まれているとは言えません。

コーヒーを栽培する環境で大切なのが標高です。

高地で栽培されるコーヒーは、寒暖の差から実がしまり、美味しい良質のコーヒーになります。そのような高い山のない沖縄で良質のコーヒーを栽培することは不可能だと言われてきました。
また、沖縄は雨も多いし台風も通りますよね。

コーヒーも農産物なので、気候にはものすごく影響を受けるみたいで、昨年から今年にかけては実の収穫量はとても少なかったと仰っていました。

しかし、ここ数年スペシャリティコーヒーの夢を追い続ける農園が様々な改良を重ねてついに認証を受けるほどのクオリティが高いコーヒーが生産されるようになったのです!

温暖化によって2050年には今のコーヒーの産地ではコーヒーが採れなくなってしまうかもしれないそうです。

もしかすると、気候変動でコーヒーベルトが遷移して、将来的に沖縄がコーヒーの産地として有名になっているかもしれない。

そのために雨が多い日本の気候でも育てられるコーヒーをつくるために、日々宮城さんは研究し、品種改良を続けているところなんです。

コーヒーの木の周りはバナナだらけ?

コーヒーの木は高さ2メートルほど。コーヒーの木の周りにはたくさんのバナナが植えられていました。まるでジャングル!

このバナナは、コーヒーの木に日が当たりすぎるのを防ぐために植えられるシェードツリーと呼ばれるものです。実は、この木で完熟したバナナが美味しく人気だとか。今回は青くて食べられなくて残念でした(笑)

そもそも、コーヒー豆ってコーヒーの木になる赤い実の「種」なんですよ。
毎日、お店でコーヒーを焙煎している私たちも実際に木になる赤い実を見るのは初めてでした。さっそく実を摘ませていただき、どんな味がするのか食べてみました。

コーヒーの実の大きさは、ぶどうのデラウエアのような、グミの実のような、ブルーベリーみたいな感じです。

私の摘んだ実は、まだ少し早かったようで皮が固く、甘さはあるもののパプリカのような青っぽい風味がしました。

適度に熱したものは、リンゴのようなフルーティーな甘みがあるそうで、この赤い実で作ったシロップジュースやお茶もあるんです。そして、実を食べた後の種はまさに私達がよく目にするコーヒー豆の形そのものでした!

宮城さん

スペシャルティコーヒーの認証を取れたことは、日本でも美味しいコーヒーが栽培できることの証明。

日本のコーヒーらしい香味を出せれば、世界初のテロワール(風味特性)となり、いつかたくさんの皆さんに楽しんでもらえるようになるはずです。

農業主の宮城さんは、私たちを温かく迎えてくださって、国産コーヒーについて熱く語ってくださいました。

沖縄のコーヒー豆が市場に出るのはまだまだ先になりそうということでしたが、とても応援したい気持ちになりました。いつかはうちのお店でも出せるようになれば嬉しい!と思います。

希少な国産コーヒー

希少な国産コーヒーは、まだまだ一般的に流通するほどの収穫量はなく、高嶺の花なのだそう。

宮城さんの営む農園でコーヒーは飲めなかったそうなのですが、那覇市内でスペシャリティの認定を取得した国産コーヒーが飲めるお店もあったそうです。お値段は、なんと1杯1,800円!

沖縄のコーヒーの特徴としては、浅煎りでフルーティー。あっさりして柔らかい味なんだそう。

実は、名護市ではコーヒー大手企業のネスレ日本や琉球大学と産官学連携の「ネスカフェ沖縄コーヒープロジェクト」も2019年からスタートしています。コーヒーを沖縄の新たな特産品に育てるプロジェクトです。

その他、KAORU COFFEE ROASTERYのお二人が沖縄で訪れた場所

宮城さんの農園の他にも、沖縄にはコーヒーの観光農園がいくつかあって、その後、中山コーヒー園さんにおじゃましました。

●中山コーヒー園

名護市にある観光農園の中山コーヒー園さんでは、コーヒーの収穫体験と焙煎体験もすることができます。

私たちは普段自分達で焙煎しているので、焙煎体験はしなかったのですが、こちらで飲んだコーヒーはとてもフルーティーなお味でした!

●今帰仁城跡

農園以外にも行った、世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」のひとつでもある「今帰仁城跡(なきじんじょうあと)」の桜も素晴らしかったです。

あとはヤンバルクイナにも会いにいきました。残念ながら野生のヤンバルクイナには会えなかったんですけど、展示されているものを見てきました。

宮城さんのコーヒー農園を訪れる!というのがメインでしたが、「コーヒー」とテーマを決めて行った二泊三日の沖縄旅行はとても楽しかったです!
コーヒーの観光農園は、沖縄の山奥の楽しみ方としておすすめです。

コーヒーの実の収穫や焙煎体験のできる地元のコーヒー農園もあり、冬の沖縄観光の目玉になりつつあります。
(赤い実の収穫シーズンは12月〜3月ごろ。2月からは白いコーヒーの花も咲き始めます。)

リゾート地としての沖縄はもちろんとっても魅力的ですが、今後はコーヒーの産地見学を目的に訪れる人が増えるかもしれませんね。

ひらガール

枚方にはコーヒー好きが多いとお店を始められてからお二人も感じられているそうです♪
コーヒー好きなみなさんは沖縄のコーヒーの今後が楽しみですね!


ひらガール

イクコさんからいろいろとお話を伺いながら、カオルさんがさりげなくおいしいコーヒーを淹れてくださり、コーヒーの香ばしい香りで満たされた店内で聴く沖縄のコーヒーのお話は、格別の時間でした♪
貴重なお話をありがとうございました!

●KAORU COFFEE ROASTERY
場所:大阪府枚方市堤町10-24枚方鍵屋別館204号室
電話:070-8484-3561
営業時間:カフェタイム13時~16時
定休日:日曜日・月曜日(火曜日・水曜日は豆販売のみ)
アクセス:枚方公園駅から徒歩4分
公式サイト:https://www.kaorucoffee.com/

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