地域資源をデザインする会社「アトリエMay」
「アトリエMay(メイ)」大阪府枚方市駅から徒歩8分ほどの場所にあります。
アトリエMayは大阪府枚方市にある地域資源をデザインする会社。淀川のヨシや枚方市穂谷の竹を活用した紙の文具、雑貨、照明の他、「地域をかたるおみやげ」の企画デザイン・ショップでは販売もされています。
こちらは株式会社アトリエMay代表の塩田真由美さんと、娘/菜津子さんです。
最近は、娘さんの菜津子さんと一緒に、これまでの地域資源を有効活用した商品作りの実績をもとに、「枚方くらわんか酒」をはじめ、枚方市、交野市、淀川ブランドを中心に、企画・デザインする「まちのデザイン事務所」として幅広く展開されています。
地域のこだわった産品のアンテナショップは令和元年8月にリニューアルオープンし、地域を「かたる」おみやげや淀川水系のお酒等を販売されています。
株式会社アトリエMay代表でヨシデザイナーの塩田真由美さんは枚方出身で創業15年目。
塩田さんは15年前、子育てが落ち着いたころに、交野に和紙のあかりを楽しめるカフェ「和 Art Cafe May 」にオープンし、その時に淀川・鵜殿ヨシ原のヨシ紙と出会いました。「経済価値ある鵜殿ヨシ原を守るという仕組みを創り、次世代に自然や文化を繋いでいきたい」と2014年7月に法人化し。そして様々なご縁で7年前に現在の場所に移転し、アトリエ兼ショップをオープン。
SDGsやサスティナブルなど環境に良い商品、社会貢献に役立つ商品が大きく取り上げられるようになった昨今、はからずしてそれよりもずっと前の数年前から時代を先取りしてこのテーマに取り組んでこられた塩田さんは、時代の先駆者として様々なプロジェクトや団体に参加し、貢献されています。
アトリエMayの店内の様子
天井には越前和紙やヨシ、竹を素材にしたあたたかいペンダントライトがたくさん飾られています。
これまで塩田さんが携わり、デザインされてきた紙物の文具やふせんなどが棚にずらり!
塩田さんがラベルデザインされた枚方・交野の地酒や加工品もずらっと並んでいます。商品は実店舗でも購入可能。オンラインショップでも販売されています。
アトリエMayの事業
ヨシなどの地域資源を使った便箋やメモ帳などの文具デザイン
「紙のぬくもりを感じることは、心が温かくなるということ。」をテーマにした、しおんシリーズ。
日本酒や加工品などのラベル・パッケージデザイン
「くらわんか酒」や、交野にある「アローズファーム」さんのトマトソースなどのラベルをデザインされてきました。
ヨシを使用した紙のラベルデザインと商品
ヨシのラベルの代表作「くらわんか酒」 1,320円(税込)
ヨシのふきん770円(税込)
ヨシストール3,850円(税込)・ヨシケット6,600円(税込)
和紙やヨシなどの地域資源を用いた照明・ペンダントライト
紙のあたたかさを感じてもらいたいという思いでデザインされている照明器具。
和紙を使ったオリジナル創作照明55,000円~(税込)
和紙やヨシなどの地域資源を用いたインテリアアクセサリー・神棚
こちらはとてもおしゃれな神棚。部屋に置いても馴染みますね。たくさん売れた人気商品だそう!
そのほか受注生産での依頼もできるということです。
冊子・フリーペーパーなどの制作物デザイン
グラフィックデザインを得意とされているので、フリーペーパーなどの制作も行なっていらっしゃいます。きっと枚方市民の方はアトリエMayさんがデザインされた制作物をこれまでに目にされていると思います。
そのほか、事業についての詳細は公式サイトをご覧ください。
塩田さんのヨシ紙との出会い
15年ごろ前に「ほっこりする明かりを伝えたい」と考え交野でギャラリーカフェを始めた時、鵜殿ヨシ原研究所の小山所長さん(私市にある大阪市立大学附属植物園の元職員さん)が塩田さんのお店にやってきて「淀川のヨシでヨシ紙が出来たんだけど、常設販売して欲しい」と頼まれたことがきっかけで、 「淀川のヨシを使って商品開発」をするようになったのが始まりだったそうです。
それが全ての始まり。郷土史や植物学について、小山さんから学ぶことでヨシについての興味が深まり、どんどんおもしろくなっていったと言います。
ヨシとは?何がすごい?
淀川の高槻市右岸に位置する「鵜殿のヨシ原」は甲子園18個分の広さがあります。
ヨシの特徴は、
①川の二酸化炭素を吸収し酸素を出し、窒素・リンなど有害な物質を吸収するはたらき
②水質浄化作用と、護岸するはたらき
③生態系保全のはたらき
をしている植物です。
よって、ヨシは川にとって必要な水辺の大きな植物なのです。
冬に刈取ると、春によいヨシ原が育ち、川をきれいにしてくれます。
ヨシを有効活用することで結果、川の環境保全につながるのです。
ヨシの商品計画、次のステージは「ヨシ糸」
ペーパーレスの時代にヨシ紙を普及させていくのは難しい。もっとヨシ製品をたくさんの人に知ってもらい、もっと広がりを持たせるにはどのようにすれば良いか?
2020年に合同会社竹繊維研究所と出会い、ヨシ繊維を取り出してヨシ糸を製造・販売するライセンス契約を結び、 2021年、ヨシを使ったヨシ糸の開発が始まりました。
衣食住のうち、「食」はヨシの粉を使った食品造り、「住」はヨシのこれまで商品化されてきましたが、今年「衣」に挑戦したい、ということで、2021年3〜4月までヨシ糸プロジェクトを実現するためのクラウドファンディングを実施し、無事に達成されました!
「繊維工業は環境を汚してしまうものだ」というイメージを覆す一大プロジェクトとし、スタート。しかし繊維となると塩田さんだけですベて完結して商品化することは不可能・・・
ということで、ヨシの繊維を製造し糸を紡績するところまでをアトリエMayさんが管理し、 そのあとは様々な事業者さんにお願いして製品になっていく中で様々な人のアイデアが広がり、 新しい商品が生まれていくところが今までと違う点。
現在ヨシ糸を使った商品開発が、枚方市内のつつしたの樋口メリヤス工業さんなどのメリヤス工場などたくさんの方が参加し、プロジェクトが進行しているところです。
時代にも相待って、オーガニックなヨシを使うことが、過去で最も反響があり業界での評価も大きかったと塩田さんは言います。
今後の展開も楽しみですね!
ひらいろ編集部も追っていきたいと思います!
アトリエMay塩田さんより
塩田真由美さん「何にも属さず、群れずにヨシのように風に吹かれて、いろんな人の協力でこれまでたくさんのことに携わってきました。
今だけを見ると、地元枚方のため、環境のために良い活動をしているように見えるかもしれませんが、私の気持ちとしては決して地元のため、環境のためにやってきたわけではないんです。その場その場で良いと考えたことを判断して、他とは違う差別化をしてきたら、結果的に地元のためや環境のために良い活動になっていただけのことなんですよ」
お店では私達が携わった商品を販売しています。地域資源の商品企画、デザイン相談もお受けしていますので、気軽にお越しください!
アトリエMay 店舗概要
●アトリエMay(メイ)
住所:大阪府枚方市大垣内町3-3-7
電話:072-845-4039
営業時間:12:00~18:00(都合により営業時間を変更する場合があります)
定休日:土・日・祝日・不定休
*都合により店舗はクローズしている場合があります。
アクセス:
京阪電車枚方市駅・宮之阪駅徒歩8分
京阪バス官公庁団地バス停徒歩3分
駐車場:なし
近隣にコインパーキング多数あり
お問い合わせ:InstagramのDMもしくは公式サイトよりお問い合わせください。
公式サイト
オンラインショップ
Instagram @atoriemay
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