一人ひとりの足にぴったり寄り添う!まっすぐな筒状のかかとのない靴下「つつした」
交野市倉治にある「樋口メリヤス工業株式会社」は1933年(昭和8年)、枚方市に創業。昨年2020年に倉治に工場と直売店舗を移転しました。
樋口メリヤス工業株式会社では、一足一足手作りでまっすぐな筒状のかかとのない靴下「つつした」を作っています。
「つつした」はシンプルなデザインなので年齢も性別も問わず誰でもおしゃれに履くことができます。特殊な技法で肌に当たる面には天然素材が使われており、触ってみると丈夫でしっかりしていることがわかります!
つつしたがシンプルな理由
つつしたは柄やイラストなどは入れずに、とてもシンプルなデザインです。
その理由は、柄を入れるとたくさんのゴミが出てしまうから。樋口メリヤス工業株式会社ではできるだけ環境に優しくありたい、と言う思いから出来るだけシンプルにしてゴミが出ないようなデザインで作られているのです。
つつしたの特長
つつしたはかかとがないので、サイズフリー。例えば23.0やLサイズといったサイズの概念がありません。
分類は、
・丈:スニーカー・ショート・ロングの3種類
・素材:コットン・ウール・シルクの3種類
・太さ:ぴったり・ゆったり・ゆるめの3種類
の中から、好みの靴下を選べます。
つつしたのお手入れ
裏返しにして、ネットに入れて洗うと、より長持ちします。
履いてみればわかる!一度はいたらやみつきになる「つつした」はこんな人にオススメ
つつしたは誰にでもぴったりフィットする靴下ですが、特に足にお悩みがある方、例えば足が小さい方・大きい方・左右大きさが違う方などにおすすめです。
すぐに足のサイズが大きくなる子供さんや、サイズがわからないお相手へのプレゼントにも安心です。
代表インタビュー!当たり前を取り払ったきっかけとは。
今回は、樋口メリヤス工業株式会社の代表取締役、中江さんにお話を伺いました!
昭和8年に中江さんのお祖父様によって創業され、中江さんで6代目になる樋口メリヤス工業株式会社。
かつて大きな靴下工場で技術を学ばれ、枚方で創業された中江さんのお祖父様。以前は自宅と工場が別だったものの、昨年2020年に現在の交野・倉治の地に移転して、製造から販売まで一貫して行っているそう。
今はこの交野の工場だけで製造していてるので、たくさんのお店に大量に卸すことができなくて、どうしても限られたお店でしか販売ができないんです。
製造直売店として去年オープンさせたこのショップには全種類のつつしたを置いているのですが、販売店さんには商品を絞り込んで販売してもらっています。
現在つつしたは主に大阪府内や東京の百貨店、枚方市内の小売店等で委託販売されていますが全製品をこの交野の工場で作っているそうです。(取扱店は後ほどご紹介します)
工場では50年以上前から稼働している機械を使いながら今でも技術者の手作業によって製造されています。
このカセットテープにデザインデータが入っていて、今でも現役で使用しているそうです!懐かしい!
実は、元々開発していた商品にはかかとがあったんです。
ですが、お客様からのヒントである時に「かかとをなくそう!」という決断をしたんです。私も最初は半信半疑で。
機械も時間をかけて改良しないといけないのでかなり勇気が必要でしたが、職人さんがとても柔軟だったので「やってみましょう!」と、何度も一緒に試作し続けましたね。
この決断がなかったら、つつしたは開発されていませんでした。
前向きな職人さんがいてくださったから今があります。
そして、実際につつしたを商品として出してみると、お客さんからは大好評だったんです!
手作業なので数多く生産することは難しいですが、使用している糸は高級糸使っているので、そのぶん皆さんに履き心地良く、長く使っていただけると思います。
コスパだけではないモノづくりの大切さ。
多くの環境問題が着目されている今の時代。モノづくりの世界でも環境への配慮が大切にされています。
今の時代は、多くの人が使い捨てのような感覚で靴下を履かれているかと思います。なんといっても、百均でも売っていますし、単価がとても安いですよね。
私の時代は破れたら母親が縫ってもう一度大切に履いたくらい、昔はすごく丈夫だったんですよね。でも大量生産の時代になって、生産が海外へ回されて価格競争によって安くなり、質も悪くなり、結果的に靴下は使い捨てのような感覚のものになってしまいました。
だから私は昔のように靴下を長く大切に使っていく感覚を取り戻したいなぁと思っていて。
今の時代、安価でお得にまとめて購入するのが当たり前になっている靴下ですが、丈夫で質の良い靴下だからこそ長く大切に使っていきたいものですね。
今はSDGsや環境について深く考える時代になっています。
その中で「私たちがモノづくりを通して伝えていくべきものは何か」を考えると、「ごみを少しでも減らしましょう」という部分なんですね。
長く大切に履き続けるというのがつつしたで伝わるといいなぁという思いがずっとあります。私自身子供もいるので、使い捨てが当たり前だと思わずに大切に履き続けてほしいなぁというのがあって。
それを発信しつつ、つつしたが柄が入っていないのは、ごみを出したくないからなんですよ。
環境のことを考えて作られているつつしたには、ゴミを減らすためにほとんど柄が入っていません。
つつしたが広まったきっかけは有名デザイナーとのコラボ「つつのくつしたてん」
そんなつつしたが世間に広がるきっかけになったのは、最初の立ち上げの時に行った、有名デザイナーさんとのコラボ企画「つつのくつしたてん」だったそう。
50年前の機械でも様々なデザインの靴下を表現することは可能なんです。
当時も有名デザイナーさんのデザインを表現することが出来たんですけど、ただ、大量のゴミが出たんです。
柄を表現するためにはナイロンの糸を使うんですが、大量のゴミを生み出す上に、機械にも負担がかかってしまって。
編み方をこだわっているつつしたは、肌側には天然繊維だけが触れるという編み方をしてるんですけど、柄を入れることによって編み方が変わってしまうんですね。
デザイナーさんとのコラボ企画は本当にいい経験になりましたし、つつしたが広まったのでよかったですが、別の視点で私にとっては環境のことを考え直すいい機会にもなったんです。
大量生産を目的とする大きな会社ではなく、小さな会社だからこそできることとして、最終的にこだわり抜いたのは編み方だったそう。
ゴミを大量に出してしまっていた当時は、ワークショップをしながら環境のためにというのを伝えていったんですけど、それでも作りながらも、やっぱりゴミが出るっていう作業はダメだなぁという気持ちがありました。
つつしたは「人にも環境にも優しく」という思いが込められています。
一部デザインがあるのは、ナイロンの糸を入れない作り方で柄を入れているんです。あえてナイロンの糸を使わずに反対側の糸を抜いて柄を出すという作り方をしています。そうすることでゴミを出さずに作ることが可能になります。
なんとか工夫を凝らし開発していくことで、人にも環境にも優しい靴下が生み出されています。
1年履き続けられる丈夫さの秘訣。
靴下はどうしても同じところに負担がかかるのでやっぱり劣化はしていくんですが、購入してくださったお客様の中には、長持ちさせるために表裏を交互に逆にしながら履かれている方もいますね。
オープン当初につつしたを購入された方が約一年ぶりに来られて、「交互に履いていてとうとう破れました!」って伝えてくれたんです!
たくさんの想いが込められたつつしたですが、履き方次第で約1年も履き続けることが出来るのだそう!
もし破れてしまった場合は、穴のあき方にもよりますが直してもらえるそうです。
つつしたを一度体験した方は、あまりのはき心地の良さに、もう他の靴下を履くことが出来なくなる方もいらっしゃるようです。
ゴムを使わずに伸縮性のある丈夫な糸を使っているので、その結果が出ているのだと思います。
はき心地にこだわっているんです。なので実際にお客さんにも試作品を履いてもらったりするんです。
必ず皆さん「何ですかこれ!」とおっしゃいますね。
かかとがないことによってサイズを問わずに履くことができるのはとても画期的な発想!
育ち盛りのお子さんにもオススメです。
丈の長さは3タイプ揃えています。締め付け度も3タイプそろえているので、きっと皆さんのお好みのものが見つかると思います!
パッケージのデザインもおしゃれなつつした。靴下はシンプルなデザインになっているので、どんなスタイルにも合わせやすそうです!
オシャレだけじゃない!たくさんのニーズに応えるつつした。
お客さんの意見を聞いていくと、本当に困っている方々が来られています。障害を持っているお子さんがいらっしゃるお母さんや、左右の大きさが違う方、病気で足先を切られた方など。また、片麻痺や足の病気を持っている方、血行や浮腫みが気になる方も多くいらっしゃいます。
私たち以上に悩まれているような方々が「こんなものがあるんですか!」と言って来られます。冷えの方が良くなった、においが気にならなくなったなどの声も聞きますね。
つつしたには想像以上のメリットが隠されているのかもしれません。
私たちは医療でも何でもないですが、お客様が実際に感じられた効果というのが口コミによって広がっているのかなぁと思っています。
つい先日、枚方市を本拠地としているプロバレーボールチーム パンサーズ所属の選手の方が「僕足のサイズが31センチなんですがなかなかサイズがなくて」と言って来られたり、逆に小さいサイズの方やご夫婦で、という方もいらっしゃいます。
地域活性化の拠点へ。
そんな特徴的な靴下「つつした」を製造、販売している樋口メリヤス工業株式会社ですが、同じ空間で駄菓子屋さん、カフェもしているのだとか。
当時、会社の経営が厳しくなった時に、在庫だけがすごく溜まったんです。そんな中、人通りがない住宅の中で在庫処分をして生き残らなければならないということで、人寄せのために「駄菓子屋」を始めたのがきっかけです。
それから子どもたちの口コミで広がって、今の駄菓子屋に繋がっているんです。当時枚方の津田に工場とお店があった時は駄菓子を買いに来た子供たちに「寒いけど何する?」って聞いて、おでんやたこ焼きを作ったりもしました。
今も当時の工場では一部ですけど、私の母が子どもたちに駄菓子を販売しています。そんなこんなで、樋口メリヤスに駄菓子は切っても切り離せない理由があるので、今でも続けているんです!
地域のためにも、このお店は色んな人が集まる場所にしていきたいなぁと考えています。
経営が厳しい時、工場を閉鎖しようとしていた時もあったんですけど、待っているだかではダメだと思って、若いパートさんを集めて、在庫を積んで車に載せて売りに出たことがあったんです。「糸巻き巻き〜♪」の音楽を流しながら車販売したりして!
そんな経験を経て、先日たまたまお友達がキッチンカーの話をしたときに、ひらめいたんですよ!
「このお店にキッチンカーに置いたらめっちゃ目立つやん!」って。
形態を変える上では良いアイデアだと思ったんです。なんだかそんなことを考えるとワクワクしてきて!とりあえずキッチンカーを一台置いてみたい!と計画中です。
この場所を発信基地として町おこしに繋げることができたら嬉しいですね。だからなんとか活性化して100周年を迎えたいです!
地域の方々にも応援してもらえたら嬉しいなぁと思います。メリヤスの工場が次々と潰れてしまう時代の中で必死にもがいているので。
マスコミの方々のおかげで知名度が上がったり多くの地域の方々に知っていただけるようになったりしましたが、やっぱり地元での知名度ももっと上げたくて。「つつしたって枚方からなんですよ!」となるような、自慢してもらえるような会社になればなぁと思ってます。
工場という枠組みだけに捉われることのない樋口メリヤス工業株式会社。これからの発展が楽しみですね!
「つつした」取り扱い店舗
【大阪】自社ショップ&工房つつした ラボ(交野店)
〒576-0051 大阪府交野市倉冶4-35-23
TEL: 072-892-1022
【大阪】阪神梅田本店 阪神百貨店1階サウステラス婦人靴下売り場
https://www.hanshin-dept.jp/hshonten/
〒530-8224 大阪市北区梅田1丁目13番13号
06-6345-1201
【大阪】大阪タカシマヤ 高島屋 タカシマヤ大阪 難波高島屋2階メンズ下着売り場
https://www.takashimaya.co.jp/osaka/
〒542-8510
大阪市中央区難波5丁目1番5号
TEL:06-6631-1101
【大阪】梅田スカイビル 空中庭園 空中庭園ショップ
https://www.kuchu-teien.com/
〒531-6039
大阪市北区大淀中1-1-88 梅田スカイビル
【東京】小田急百貨店 新宿店本館7階 ジェントルマンズクローゼット
http://www.odakyu-dept.co.jp/
〒160-8001
東京都新宿区西新宿1丁目1番3号
TEL:03-3342-1111
【大阪】YuiNo 枚方T-SITE 店
大阪府枚方市岡東町12-2 枚方T-SITE 4階
TEL:072-804-9000
営業時間:10時〜21時 年中無休
京阪電車「枚方市駅」より徒歩1分
http://hirakata.tsite.jp/
【大阪】枚方観光ステーション
大阪府枚方市岡東町19-1
京阪電車「枚方市」下車、東改札口正面
(駅舎2階)
営業時間:午前10時〜午後6時
休館日:年末年始、メンテナンス時
TEL:072-843-4125 FAX:072-841-7488
【大阪】デ・ルッソ 本店
大阪府大枚方市楠葉並木2-22-10
長沢ビル1F
営業時間:火・木・土10時〜19時/月・水・金10時〜18:30時/日 定休日
http://de-lusso.com/
※お取り扱い店は随時募集中です。
つつしたのよさ、特徴などをご理解いただき、つつしたを販売してみたいという方は下記よりお気軽にお問い合わせくださいませ。
樋口メリヤス工業株式会社 TUTUSHITA LABO 概要
●樋口メリヤス工業株式会社
住所:大阪府交野市倉冶4-35-23
電話:072-892-1022
営業時間:10:00 〜 17:00
定休日:木曜日
アクセス:JR学研都市線 津田駅から徒歩20分
駐車場:あり
公式サイト
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