枚方で唯一の幻のそうめん「河内素麺」づくりの様子をレポート

枚方市内で唯一引き継がれる枚方名物「河内素麺」

江戸時代から農閑期の副業として、枚方市津田地域や穂谷地域に引き継がれてきた「河内素麺(かわちそうめん)」。

手延べで作る河内素麺は、細さ・真っ白な色・コシが大きな特長の枚方名物です。

「割烹 藤」で提供されている河内素麺

藤井米穀店の藤井繁雄さんが唯一、河内素麺を継承

昭和初期には素麺を作っている農家が70~80軒あったそうですが、戦後は後継者が徐々に減り、平成24年に最後の1軒が廃業してしまいました。

津田にある藤井米穀店五代目の藤井繁雄さんが現在唯一、河内素麺づくりを継承しています。藤井さんは元々河内素麺作りが本業だったわけではなく、素麺づくりの文化が途切れてしまうことへの危機を感じて、習い始めたのがきっかけでした。

藤井さんが素麺作りを始めたのは、29歳のとき。その時すでに素麺を作っている農家は津田に4軒程度、穂谷で3軒程度までに減っていました。

その中の知人のところに素麺作りを習いに通いました。とはいえ、河内素麺に決まったレシピはなく、作るところをひたすら見て覚えるしか無かったそう。ご自身で作れるようになるまでに、かかった年数はなんと12年!以降、必要な道具を受け継ぎ、自宅に素麺専用の蔵を建てて毎年河内素麺を作っています。

毎年11月から翌年3月ごろまで早朝の寒い中、夫婦で丁寧な手作業で作られています。

藤井さんご夫妻

今回、特別にひらいろ編集部も河内素麺作りの様子を取材させていただいたので詳しくご紹介します!

河内素麺の製造の流れ

藤井さんのご自宅の裏に河内素麺製造のための蔵があり、その場所で毎朝6時半ごろから素麺づくりが行われています。

ひらガール

この蔵は河内素麺作りの師匠と同じ間取りで作ったのだそうです!

STEP
原材料を捏ねる

仕込みは前日の夕方16時ごろから始まります。
原材料となる小麦・塩・水 合計30キロを捏ね機を使って混ぜ合わせます。

ひらガール

年によって小麦の質が変わるので美味しい時もあれば作りにくい時もあったり、塩分濃度が微妙に変わったりするので、調整に苦労するそうです。

STEP
素麺を手延べしていく

まずは上の機械を使い、 綿実油(めんじつゆ)をぬりながら、下のような太い麺を何本も連ねた状態にします。

この状態で一晩寝かせます。

続いて、まだ太い麺の状態のものを専用の木枠の穴に通して、少しずつ少しずつ手作業で細く伸ばしていきます。

斜めに穴が空いているので落ちないようになっています

黙々と、どんどん延ばしていきます。

STEP
乾燥台で乾燥させる

素麺が十分な長さに延ばせたら、乾燥台に移動します。ちなみに素麺の定義は細さが1.3mm以下と言われています。

透き通る美しさ
STEP
外で乾燥させる

外に出して、冷たい風が吹く冬の寒空の元、しっかりと乾燥させます。

干している時にも触れている素麺同士がくっつかないように何度も確認し、整えていきます。

STEP
小割り台で同じ長さに切る

素麺が完全に乾燥したら、下の「小割り台」の上に移動して、大きな包丁を使って20等分して同じ長さに切り揃えます。線ごとに切ることで均等な長さになります。

昔ながらの河内素麺の箱に収めて、出荷までさらに乾燥させます。

ちなみに、長さを揃えるために切った端の節(ふし)の部分は、捨てずに次の素麺の材料を捏ねる時に混ぜ込むのが枚方独自の文化だそうです。節を混ぜ込むことで、不思議なもので、次の麺の仕上がりが安定して、うまくいきやすいのだとか!

STEP
梱包

一束50gずつ計って、丁寧に箱詰めされて、4月ごろから出荷されます。

河内素麺が貴重な理由

うどんやそばは麺を包丁で切りますが、手延べ素麺は切ってはダメ。延ばして細くする必要があります。同じ手延べ素麺でも、有名な三輪素麺などは機械化が進んでおり、ほとんど機械で延ばしているそうです。藤井さんの河内素麺のように今でも手作業で延ばしている素麺は本当に貴重で珍しいのです。

また、上のように1日30キロを、11月〜3月の間に40〜50回繰り返すことで、毎年1,500キロ分の河内素麺をお二人で作られています。二人で手作業で作れる量が限られているため、毎年2月から予約を受け付けるとすぐに予約で埋まってしまいます。

店舗で河内素麺料理を提供しているのは京都の有名な料亭や枚方市内でも限られた数店舗のみ。なかなか市場には出回らないので、まさに幻の素麺なのです。

今55歳になられた藤井さんは、今後の後継者を探していらっしゃいます。後継者がなかなか見つからない理由は、素麺づくりには二人必要なこと。延ばす工程は一人ではできないのです。

ひらガール

もし河内素麺作りに興味がある方がいらしたら、ぜひ藤井米穀店さんにご連絡してみてください!

河内素麺を提供しているお店「割烹 藤」

貴重な河内素麺が食べられるお店の一つが、枚方公園駅前にある割烹 藤です。

割烹 藤の河内素麺は「温or冷」両方あり、暑い時期は冷たい素麺・寒い時期は温かい素麺が人気。

板長の藤下さんのおすすめの食べ方は冷たい方。河内素麺ならではのコシをより感じやすいのだそう。毎年5月ごろ新物の河内素麺が届いて、順次提供されます(無くなり次第終了)。

藤井米穀店
住所:大阪府枚方市津田西町2丁目27-6
電話:072-858-1031
営業時間:9:00〜18:00
定休日:日曜・祝日

ギャラリー

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