市民の森鏡伝池に約200種類の色鮮やかな花しょうぶ
日本各地で約5,000品種以上あると言われている花しょうぶ。
そんな中でも楠葉にある市民の森では、毎年5月中旬から6月中旬にかけて、約200品種もの花しょうぶを鑑賞することが出来ます。
今回は、市民の森を管理されている京阪園芸の武田さんに花しょうぶの見どころや魅力をお聞きしてきました!
35年以上守られてきた「市民の森 鏡伝池緑地」
市民の森 鏡伝池緑地(しみんのもり きょうでんいけりょくち)は、京阪『樟葉』駅から徒歩約22分の場所にあります。
『続古今和歌集』に登場する「楠葉の宮の池」を指すと云われる鏡伝池が中心にある公園で、昭和62年に開園。
「緑と太陽と文化のまち」のスローガンのもと枚方市市政35年を記念して造成された、住宅地に囲まれた地域密着型の緑地公園です。
GOmyPARK公式サイトより引用
市民の森 概要
● 市民の森 管理事務所
住所:大阪府枚方市楠葉丘2-10-1
電話:TEL:072-850-2274/FAX:072-850-6233
開園時間:9:00~17:00 (6・9月 8:00~18:00 7月~8月 7:15~19:00)
休園日:12月29日~31日 (事務所棟は12月29日~1月4日まで休館)
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花しょうぶの特長
花しょうぶについて教えてください!
花しょうぶの花の寿命は、咲いてから2〜3日ほどで短いんです。
種類によって5月中旬に咲く品種から、6月中旬に咲く品種まで様々です。
咲き始めの花の色が最も濃く、次第に薄くなっていきます。
なので、花しょうぶが一番美しい時間帯は朝一番〜午前中。時間と共に変わっていく儚さがあります。
そんな儚い花である花しょうぶの花を展示する「花しょうぶ展」では、咲いた日の朝一番に展示しています。
「花しょうぶ」に似ている花として、「菖蒲(ショウブ)」、「アヤメ」、「カキツバタ」などがあります。
菖蒲はそもそもアヤメ科ではないのに、なぜ花しょうぶを花しょうぶというかというと、葉っぱの形が似ているからなんです。
花しょうぶはアヤメ科の植物、菖蒲はサトイモ科の植物です。
名前が似ていても実は全然違った植物なんです!
花しょうぶは、花の付け根部分が黄色に染まります。またアヤメも花びらの付け根が黄色ですが、網目模様があることが異なります。
さらにアヤメは陸で咲き、カキツバタは水に浸かっている場所で咲くのに対して、花しょうぶは湿った土地であれば、水に浸かっていてもいなくてもきれいに咲きます。
水に浸っているほうが、水面に映って美しいということで、観賞の意味で水に浸かっている状態にしています。
花しょうぶの品種の名称がおもしろい!
花の隣にそれぞれの品種名の札を掲げています。
名称は、品種を作った人が決められるんですよ。
月桂冠、朝の光、お花畑・・・
変わった名前がたくさんありますね!
どんな思いでこの名前がつけられたのかすごく気になってきます…
毎年新しい品種が少しずつ増えるので、毎年違った顔ぶれになります。
品種を設置する場所も品種も毎年少しずつ変えているので、花しょうぶ園の雰囲気も実は毎年同じではないんです。
もし他の品種と少しでも混ざってしまった場合は全部廃棄するほど、厳しく管理しています。
また、花しょうぶの品種は5000種類〜7000種類もあると言われていますが、全部をまとめた図鑑みたいなものがあるわけではなく、繁殖力が弱かったり株分に弱かったりして、現在も全てが残っているかどうかはわからないんです。
そうなんですね…市民の森で約200種類見られるっていうのがとても貴重なことがわかりました!
ちなみに、武田さんのお気に入りの品種はありますか?
淡い紫色の花びらが特長で、きれいに上向きで咲いている「築羽根」が好きです。上品な見た目が印象的です。
花しょうぶの見頃後は株分け
花が咲き終わる7月頃、花しょうぶは種類によって「株分け」を行います。
株分けとは…?
2~3年に1度、花しょうぶの根株を分けて増殖させる方法です。
もし株分けを行わないと、鉢内に根がいっぱいになってしまい、根から養分や水分が取れなくなってしまいます。
そのため、水を絶やさない状態で、たくさんある品種それぞれの、養生と、増殖のために「株分け」を行います。
途中で混ざってしまわないように、慎重に行われる作業です。
「株分け」をした後は、子株に分けて3.5ポットに移して砂地で2か月間、根を張らします。
そして9月頃、少し大きな6.5ポットに移し替え、ここからは肥料も与えていきます。
葉の色が綺麗な緑色になって冬になれば、薬剤を添付します。
1年かけて開花に向けて準備されているのですね!
この美しい花しょうぶ園はすごく手間がかかっているんですね…
期間中は花しょうぶの販売も
※現在は終了しています
見頃の期間、市民の森では花しょうぶを購入することも可能です。
お花屋さんでもなかなか見かけないので貴重な機会。
ご自宅のお庭でも花しょうぶ楽しめたらとても素敵ですね。
毎年5~6月には花しょうぶ展が開催されており、花しょうぶの楽しみ方などを詳しく解説してもらえるツアーイベントも行われています。
約200種類の中から皆さんも、自分のイチオシの花しょうぶを見つけてみてはいかがでしょうか。
花しょうぶとスイレンとのコンビネーション
花しょうぶ園のすぐ近くにはスイレンもきれいに咲いていました。
ぷかぷかと浮くスイレンと、可憐な花しょうぶを同時に見ることができて、とても癒されました!
花しょうぶの次はあじさいが見頃に
花しょうぶやスイレンの他にも、季節によって様々な植物が楽しめる市民の森。
武田さんによると近年あじさいの育成にも力を入れているそうで、市民の森内の「トリムの森」周辺に、たくさんの色とりどりのあじさいが植えられていました!
青、ピンク、紫と綺麗なグラデーションで咲いています。
園内ののあらゆる場所に、様々な植物が育てられており、一年を通して様々な植物を間近で楽しむことができる自然豊かな市民の森。
周遊できるのが魅力で、お散歩にもぴったり。
一年で何度でも楽しめる素敵な公園です!
毎年5月〜6月は、市民の森の花しょうぶとあじさいをお見逃しなく。
市民の森 概要
● 市民の森 管理事務所
住所:大阪府枚方市楠葉丘2-10-1
電話:TEL:072-850-2274/FAX:072-850-6233
開園時間:9:00~17:00 (6・9月 8:00~18:00 7月~8月 7:15~19:00)
休園日:12月29日~31日 (事務所棟は12月29日~1月4日まで休館)
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