\アートあふれる通りに変身した商店街を歩いてみよう!/
「アートを鑑賞、アートで干渉 てくてくツアー」のようす
2025年4月4日(金)〜13日(日)に樟葉にある樟葉宮表参道沿いにて、『まちアートくずは ピンクの他人プロジェクト』が開催されました。

こちらはまちライブラリー「とかとか」の浪本さんによる企画で、地域に暮らす⼈たちを、全く関⼼の無い他者「⾚の他⼈」から、ちょっと⼈を気にかける「ピンクの他⼈」へ変えていこうと試みる参加型のアートイベントです。
▽イベントのチラシ▽


◇『まちアートくずは ピンクの他人プロジェクト』とは
『まちアートくずは ピンクの他人プロジェクト』とは、“他者との境界を少しあいまいにしてみよう”という思いから企画された、まちを巻き込んでの大型アートイベントです。
実現までに一年以上をかけて準備をしてこられました。
※いただいたお写真も交えながらご紹介を進めます。



枚方近隣で活躍する作家さんや、楠葉中学校 美術部の生徒さん、成安造形大学の学生さんなど、さまざまなアーティストのみなさんが参加して、樟葉宮表参道商店街を中心に至るところにアートが現れました。

日常の中にアートが現れると、普段何気なく通っている場所も新鮮に感じられて楽しくなります。
歩いていると「ここにもあるわ」「ここってこんな場所があったんやねー」なんていう声もちらほら。自分たちの住むまちのことをあらためて深く知る機会にもなったようです。

今イベントのキーワードのひとつでもある“くずはでアートをたのしもう!”をあらわすように、開催期間中には、描いたり、作ったり、考えたり、アートを通してまちとひとがつながる機会がたくさん開催されました。





今回は、4月12日に開催された、アートが散りばめられた商店街を歩くツアーイベント『アートを鑑賞、アートで干渉 てくてくツアー』に参加しましたので、そのようすをお伝えします!

商店街に飾られたアートを全部みてきたんだワンっ!
◇『アートを鑑賞、アートで干渉 てくてくツアー』のようす


こちらのイベントは、商店街を歩きながらあちこちに飾られたアート作品を“鑑賞”していき、それぞれのアートがどのようにお店やまちに“干渉”しているのかを、浪本さんのガイドとともにツアーしていくというものです。
普段はしずかな商店街がアートを通して活気を持ち、まちと人がピンクの他人としてつながっていく。
そこには、まさに浪本さんが体現しようとした“まちづくりのためのトータルデザイン”の姿がありました。
それでは、いっしょに歩いていきましょう。
1.商店街の「旗」
まずは商店街の通りを見てみると、ピンクの旗が点々と並んでいるのが見えます♪








この旗は、3月29日に開催された「樟葉駅前芝生広場で大きな布にペインティングしよう!」でペイントされた40mの布を切って旗にしたもの!旗が立つだけでまちの色合いや雰囲気が変わっていく面白さを感じることができました。




よく見ると商店街の街灯もピンク!まるでこの街灯に合わせたかのように思えますが、浪本さん曰く、これは全くの偶然なんだそうです。
2.Let’s フィールドウォーク!(Feel度Walk)の「知図(ちず)」


「とかとか」の向かい側に掲示されていたのは4月6日に開催された「Let’s フィールドウォーク!(Feel度Walk)」の際に描かれた知図(地図)たちです。
「Let’s フィールドウォーク!(Feel度Walk)」は、参加者がバラバラにまちに出て、それぞれが面白いと思ったものを写真に撮って絵にし、一枚の知図(地図)にしていくという企画でした。
それぞれの視点で出来ていくので毎回違う知図になるのですが、不思議とまちの特徴がなんとなく現れてくるのがこのイベントの面白いところ。くずはというまちの面白さをまた違った視点で知ることが出来るので、まちを見る目や感度が変わりますね。




3.アトリエいろのねさんでの展示


とかとかの数軒先には、沖明日香さんの新しい「アトリエいろのね」が。
最近アトリエをお引っ越しされて、このイベントに間に合わせるようにオープンしました。


こちらでは、旗にも使われているピンクの布や、フローリストの つちで みきさんが持ってこられたお花を、教室の子どもたちが描いた作品たちが飾られていました。






子どもたちの感性のままに描かれたお花たちには、そばに置いているお花と同じくらい命の息吹を感じられました♪
この日は、同日開催された「思いっきりファッションショー!」のために、子どもたちがピンクの布を使って衣装を作ったり、つちでさんによる花飾りをしてもらっていました。





こちらの様子もレポート記事にしていますので、良かったら読んでください♪
4.わきさかゆなさんの「作品展」


まちライブラリー「とかとか」では、わきさかゆなさんの作品を展示していました。




こちらでは視点誘導によって描かれたアートを展示していました。
実はこちらを描かれたわきさかゆなさんは重度の障害を持っていて身体が思うように動きません。そんなゆなさんが目を動かして絵を描くソフトを使って描かれたアートは、普段私たちが意識しない目の動きから繰り出されるダイナミズムや、躍動感を感じることが出来ました。
実際に浪本さんもこのソフトを使って目で絵を描いてみたら、相当難しかったらしく、かなりの集中力を必要とするんだそうです。
ちなみに「とかとか」では、展示についての説明を書いたものは置いていません。
それは障害を持っている持っていない関係なしに、そんな境界もあいまいにして純粋にひとつのアートとして見て感じてもらいたいという思いからでした。


5.商店街に飾られた色々なアート
ここからは商店街のさまざまなお店に飾られたアートを、歩いて見てまわります。






「とかとか」の右隣にある「鉄板焼き あじさい」では、楠葉中学校 美術部のみなさんがつくられた作品が展示されました。つくったのはなんと、お店の提灯とのれん!
中学生たちは、この作品をつくる前にお店を訪問。お好み焼きを食べながら、お店のひとたちに取材。そのお話からインスピレーションを得て、提灯やのれんの作品を制作したんだそうです。






この提灯にはたくさんの電球が仕込まれていて、暗くなると光らせることができます。


お客さんから「お店の雰囲気が変わったね」とよくいわれているそうですよ。









お店の方だけでなく、ご近所さんも喜んでくれて、大好評!
次は「とかとか」の道を挟んで左隣にある「美容院 Lito.」に飾られた絵。






こちらはアトリエShiroiToの楠川敦士さん、MAKOTO TANAKAさん、Mamoruさんが描かれた作品たちです。



よく見るとゴリラの毛が点々で細かく描かれてるんだワンっ


「おんわ整骨院」で飾られているのは、楠葉中学校美術部の生徒さんが描かれたもの。
作品を描くためというよりも、素で描きたいものを描いた絵が飾られました。特に先生が普段飾られないようなところに生徒の絵が飾られたことに喜ばれていたそうです。


浪本さんは、こういう異質さがまちにあることが面白いし大事なんじゃないかとおっしゃっていました。



細部まで描かれいてとっても鮮やか!中学生でこれはすごい!


「渦潮ベーカリー くずは店」さんにかざられた、アトリエShiroiToにいらっしゃるあやみさんの作品。
こちらはピンクにしてほしいとかそういったことは一切言っていないにも関わらず、完成されたものがピンクになっていたという偶然。
こういう姿が有ると無いとでは、まちの表情がすごくかわると浪本さんはおっしゃっていました。





ピンクののれんがあるだけで、確かにまちの表情が変わりますね。


こちらはアトリエShiroiToの、MAKOTO TANAKAさんと影山弘樹さんの作品。
「ここにアートを置かなかったら、こんなところに植栽があることすら知られなかったと思うんです」という浪本さん。
ちょっとこの場を観察していても、おじいちゃんやおばあちゃんが「これなに」と見始めて、そのままその場に座ったりするそうです。
そしてこちらは社会福祉協議会の建物なんですが、これをきっかけにこういった場所を知ったり、浪本さんも職員の方といろんな話をすることが出来たそうです。




こういったことでまちへの干渉度が上がったり、異質感から来る楽しさがあったりする姿が、まさにこのプロジェクトの面白みだと感じさせられました。



ちょこんとあるだけで、いろんな人が見つけておしゃべりしていたんだワンっ
6.くずは優足屋の端材アート






こちら「くずは優足屋」ではオーダーメイドでインソールを作っていらっしゃいます。
そのインソールを作る際に出る端材などをつかって、リサイクルアーティストの緒方希さんがワークショップを開催。
子どもたちは人や動物、恐竜、乗り物や建物などに見立てて、子どもたちが色々とアート作品を作りました。




「まちアートくずは ピンクの他人プロジェクト」は、商店街で開催していますが商店会の企画ではありません。なので商店会に入っていないお店もイベントに参加しています。



そういう点でも境界をあいまいにして、いろんな方に関わってもらえたんですね!
7.寺山自動車の「ピンクの水族館」


こちらは「寺山自動車」のショールームを、成安造形大学の重松佐和さん、松本涼花さん、山田倖大さん、吉田優奈さんによって「ピンクの水族館」彩られました。




表には箱が置いてあり、中にはピンクのふせんが。好きなお魚の形に切って、そこに「楽しかったこと、嬉しかったこと」を描いてガラスにはっていきます。みんなが書けば書くほど、お魚がいっぱいになっています。


ツアー中にもいろんな方が来て「これ、書いていいんですか?」といって、参加されていました。
ツアーの参加者もみなさん次々と楽しそうに書いていって、水族館にお魚がたくさん増えていきました♪









みんな、はしゃぐように楽しんでいたんだワンっ






ショールームの中にも入らせていただきました。
中に入るとガラスの向こうから見ていた景色と違い、下の植物たちも含めてまるで自分が大きな水槽の中に入ったような気分になりました♪
これもワークショップで子どもたちによって作られたお魚で出来た空間です。









空に浮かぶ小さいフグがかわいい!お魚といっしょにいるような感覚になれました!
8.川口園芸さんで「フィリピンの子どもたちアート」と「お花たち」


最後は川口園芸さんです。
こちらでは、沖明日香さんがフィリピン ネグロス島の子どもたちと作ったアートが飾られていました。


日本の子どもたちとは全く違った感性と色使い。絵の具に触ったこともない子どもたちが、紙ではなく、穀物を入れたりする袋などに描いたアートは、固定観念にとらわれないのびのびとした表現でエネルギッシュに描かれていました。


よく見ると、靴下のようなものが・・・。
これ実は、枚方の樋口メリヤス工業さんの商品である「つつした」という靴下。その端材を持っていってたそうです。
そして川口園芸さんにはもうひとつアートが。


一見するとわからないんですが、よく見ると・・・


アトリエいろのねの子どもたちが作った手作りのお花が、散りばめられているんです♪




本当にしっかり見ないとわからないくらい溶け込んでいて、驚きます。






ということで、決して長い距離ではないんですが、日差しも少しある中で全てを見て回りました。
ひとつひとつに元気をもらえるような明るさと楽しさがあり、それがまちに点々とある。
それが、これほどまちのみなさんをワクワクさせるものになるなんて、想像以上でした。


今回ツアーに参加された方は…
「枚方にはアーケードがないので、ピンク散りばめることで一体感が出て、ここが好きになりました」
「こういったアートがあるのは楽しいですし、ここを歩くきっかけにもなるのでとっても良かったです」
と、くずはが好きになったというお声をたくさん聞きました。


浪本さん、ありがとうございました。
ということで以上「アートを鑑賞、アートで干渉 てくてくツアー」のレポートでした!



ツアーで歩くことで、開催されてきたワークショップでどんなことをしてきたのかもわかったので、とっても良かったです。何より、まちとひとが温かかったです♪
◇「アートを鑑賞、アートで干渉 てくてくツアー」イベント・ギャラリー






























◇ まちアートくずはピンクの他人プロジェクト実行委員会 概要
今後も様々なまちイベントを実施されるそうです。
詳細については下記公式サイトやSNSを御覧ください!
●まちアートくずはピンクの他人プロジェクト実行委員会
大阪府枚方市町楠葉1丁目31−2 まちライブラリーとかとか内
Tel. 072-845-4344
公式サイト:https://machiart-kuzuha.studio.site/
X:https://x.com/machiart_kuzuha
Instagram:https://www.instagram.com/machiart.kuzuha/
お問い合わせ:https://machiart-kuzuha.studio.site/contact