枚方・寝屋川のものづくり企業を工場見学!『不器用ファクトリー』レポート【前編】/アクテック・ノボル電機・テイク・システムズ・MELOS

目次

2024年2月に開催された工場見学『不器用ファクトリー』をレポート!

2024年2月3日,2月10日,2月17日の土曜日。
枚方・寝屋川のものづくり企業による工場見学イベント『不器用ファクトリー』が開催されました。

枚方と寝屋川にあるものづくり企業、全8社が参加。
それぞれの工場に見学へ行ってきましたのでそのレポートをお届けします!

今回は2回に分けてのお届けです。

ひらガール

ひらいろ編集部もイベントに参加! 当日の様子をご紹介します!

イベント概要

開催日時:2024年2月3日,10日,17日 いずれも土曜日
開催時間:10:00〜
各回開始時間:当日現地集合
①10時〜 ②13時〜 ③16時〜
開催場所:各工場それぞれで現地集合

イベント内容

北大阪にある8つの”ものづくり企業”が参加するオープンファクトリーイベント『不器用ファクトリー』。
過去2回はくずはモールで、ポップアップ型の子ども向けの体験型ワークショップとして開催してきました。

そして3回目となった今回は、ついに現地での工場見学が実現。
参加者はそれぞれ行きたい工場に赴き、工場見学ツアーとワークショップ体験をすることが出来ました。

●アクテック株式会社

テレビや新聞などの取材で話題になった10万円のうまい棒ケース
そんなユニークな企画を考えたアクテック株式会社は、様々なアルミケースを専門に作るものづくり企業です。

今回は、工場内をまわりながらアルミケースを作る過程を見学。
そして後半はオリジナルのアルミケースを作るワークショップ体験をすることが出来ました。

工場案内

まずは社長の芦田 知之さんが、アクテックという会社についてを説明。
ニーズに合わせて様々なケースを作っており、企業の大量注文から個人のオーダーメイドまで、様々なニーズに応えています。

ちょっと驚いたのが、ケースの断面。

全部金属で作っていると思っていたのが、実は内側はベニヤという木材でした。全部を金属にしてしまうとケースが重たくなってしまうので、中は丈夫で軽いベニヤ板を使っているんだそうです!その上に薄くしたアルミ板を貼ることでケースが出来るんだとか。

説明が終わったら、いよいよ工場見学です。
出発する前には注意事項。金属はそれぞれの部品のカット面が鋭利で危ないので、勝手に触ったり、床の白線を絶対出ないようにしてツアーを開始。(工場見学っぽいですよね)

さまざまなパーツやケースの製造過程、そして途中、職人さんによる実際の作業を見ることもできました。
作業は一見単純そうに見えるんですが、ちょっとのズレで商品にならなくなったりするので、実は簡単ではありません。

様々な部品や工具。意外にも木の部品などが多いのも面白かったです。

アルミケース作りワークショップ

後半は、自分だけのアルミーケースが作れるワークショップ。

枠はいろんな色があるので、それを組み合わせて自分だけのケースをつくっていきます。メタリックな色合いなので、子どもはみんな目をキラキラさせながら選んでいました。

面白かったのが、こちらの工具の話。アクテックさんでは工具はエアーで動くものが基本なんだそうです。
金属の加工を扱うことが多いということで、電気をつかった工具だと感電する恐れがあったり、金属の火の粉が電線に当たって引火する恐れがあるということで、エアーの工具を使っているんだそうです。

社員の方が優しく丁寧にサポートされていました。

ここでアクシデントが発生。ケースのひとつが噛み合わせが悪くちゃんと閉まらないという事態。

その瞬間、社員の方々の目が変わりました。
ほんのちょっとの微調整をして開け閉めを繰り返し、音を聞いて密閉具合を確認。それを納得するまで繰り返されていました。
社長の芦田さん曰く、これに関しては明確な原因があるわけではないので、職人の勘が頼りだということ。

何があるかわからないのがモノづくり。
こういった時でも職人の経験と勘によってひとつひとつ丁寧にクリアしていくことで、ものづくりの品質が保たれているんだなーと感じさせられたシーンでした。

●株式会社ノボル電機

拡声器(メガホン)や、構内放送システム、小型船舶につける汽笛などを作っているノボル電機さんは、この業界でも高いシェア率を誇る企業です。

もともとは交野市にあった本社工場を、平成30年11月に大阪府枚方市へと新築移転。
外から見ても清潔さと、まだ新しい建物という雰囲気が感じられて、工場というイメージのギャップを感じました。

工場案内

社長の猪奥元基さん。会社の成り立ちや、作っているものがどういうものかを説明されました。
一般用というよりも業務用の製品を作っているため、皆さんにはあまり知られていないかもしれないけれど、実はあちこちでノボル電機の製品を見ることができるそう。

ここからは会社で一番若手の社員さんが、説明と工場案内。
まずはノボル電機で造られたものが、どういったところで使われているかを説明してくれました。

音を大きくする拡声器にも色々とあり、手で持つメガホン以外にも、音を増幅させるためのアンプや、建物から構内に呼びかけるシステムなど、実は町のあちこちで活躍していることがわかりました。

こちらは実際にノボル電機さんが作られた製品の数々。

大きさや素材は、時代とともに形を変えていき、金属からプラスチックになったり、拡声器の性能が上がったことにより小型軽量化がなされていきました。

実際に持ってみると一目瞭然。そういえば、昔のメガホンって肩に掛けて担いでいましたよね。

こちらは組立をする場所です。組立後にはひとつひとつがちゃんと動作するかをチェックしていきます。

工場で作ったものが当たり前に動くわけではなく、こうしてひとつひとつ人の手で、細かな検査を受けてから世に出ているんだなと、ものづくりの誠実さを感じました。

さて、こちらのデコボコした部屋は「無響室」と呼ばれる部屋。音の反射を極限までなくし、ほとんど無いように設計した部屋です。

中に入ると、声を出したり、手をパンと叩いてみても音が跳ね返って来ないので、ぼやーんと、耳が詰まったような感じになります。正直、ずっといると気持ち悪くなります(笑)
普段、私たちの生活している場が、どれだけ音が広がって反響している中で生活しているのかがよくわかります。

ノボル電機ではこの無響室を、拡声器の音量、指向性、周波数特性などの調査、検査に使われています。

紙コップスピーカーを作ろう!

後半は、紙コップでスピーカーを作るワークショップ体験。
スピーカーの仕組みを学びながら、紙コップを使ってスピーカーをつくります。

スピーカーの仕組みのキーとなるコイル。
これをいい感じに作るのがなかなかむずかしく、社員の方にも手伝ってもらいながらみんな頑張りました。

社長にお話を聞くと、工場見学ツアーやワークショップを若手社員に任せたことで、社員それぞれの新たな一面や、自分たちで物事を進めていく経験をさせることが出来たので、良い機会になっているとおっしゃっていました。

オープンファクトリーというのは参加される側だけでなく、会社側にも学びのある機会なんですね。

●株式会社テイク・システムズ

緑一色の建物に、「T」の形をした窓。そんなユニークな姿をした社屋を持つテイク・システムズは、液晶パネル関連の検査機器を設計・開発していて、国外にもグループ会社を持つ企業です。

テイク・システムズの「テイク」は英語のTAKEではなく、実は「竹」。創業者の苗字である「竹村」から一字を取って会社名にしたんだそうです。

会社ツアー

屋内は、機器を扱っている会社とは思えない、温かみのある雰囲気。
螺旋階段の手すりは木材を使っていて、よく見るとあちこちにぬいぐるみが!

中に入ると、そこはまるで「ものづくりラボ」。メインである検査機をはじめ、さまざまな工作物がびっしり。

これはリニアモーターマシン。磁石の力で動くリニアモーターカーの仕組みを教えてくれました。なんでこんなものが???(笑)
社員の方が、むずかしい仕組みを子供にもわかりやすく伝えていましたよ。

「コイルを作ってLEDを点灯させよう!」

テイク・システムズのワークショップは「コイルを作ってLEDを点灯させよう!」。

コイルを自分で巻くワークショップは、電源を持っていないコイルを、電気が流れているコイルに近づけることで電磁誘導が起こって、電源をもっていないコイルにも電気が流れる(=LEDが点灯する)という内容でした。

スマホなどがワイヤレスで充電できる仕組みがわかる、面白い実験ワークショップでした!

他にも「電磁石で釣る魚釣り体験」や、電源いらずの「傘を使ったラジオアンテナ体験」など、テイク・システムズのみなさんは、とにかく子供たちに楽しんでもらおうと色んな工夫や仕掛けを用意されていて、終始子供たちもワクワクして参加していました。

↑後日、傘ラジオのワークショップも開催され、何名かの方が参加されていたそうです!

●株式会社MELOS(メロス)

メーカーが必要とする試作品の製作や、特殊な部品などのニーズに合わせて様々なモノを1個から受注製作する会社、MELOS。

加工するためのマシーンや、樹脂などの素材がたくさんあって化学工場と町工場の雰囲気が一緒になったような空間です。

工場見学

企業の試作品などを作ることの多いMELOS。こちらは樹脂で固めた文字。
こうしたものから型を作ったり、試作品を作ることで、別の素材でちゃんとしたパーツができていく。大事なお仕事です。

実際にどうやって、できていくのか。ダイナミックな機械が、様々な働きをしている姿をじーっと見ている子供たち。
マシーンの中に内臓されている工具が様々な働きをしてくれます。

金属と違って加工がしやすい樹脂は、試作品を作る上でとっても重宝されています。
プラスチック、シリコン、樹脂の素材も千差万別。ここで作られた試作品を丁寧に作ることで、最後には精密な金属のパーツができるんですね。

樹脂を使ったワークショップ

今回は、型に入れて樹脂を混ぜ合わせることで固め、チョコレートが溶けたような形のした面白いスタンドを作成します。

工場の階段ってなんだかワクワクしますよね。

食紅を使って好きな色を作り、それをしっかり混ぜて固めるだけ。
シンプルな作業だけど、見たことのない液体や、固まっていく様子に子供たちはワクワク。

うちわであおいで固めていき、最後にシートから剥がせば完成。
みんな自分の好きな色のチョコレートが出来て喜んでいました。

つづきは【後編】でお伝えします!

今回はアクテックさん、ノボル電機さん、テイク・システムズさん、MELOSさんの工場見学とワークショップをお伝えしました。

【後編】では、吉泉産業さん、香椎化学工業さん、大豊製作所さん、朝日熱処理工業さんの工場見学をお伝えします!

お楽しみに!

ひらイヌ

後半も見てほしいんだワン!

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