大阪府枚方市にゆかりのあるアーティストやクリエイターに焦点を当て、生き方や仕事、作品へのこだわりや思いについてお伺いする連続インタビュー企画。
第3回目のゲストは、ギタリストのわたなべゆうさんです。
わたなべさんは岡山出身で高校生のころからバンド活動に打ち込み、大阪の音楽専門学校へ。卒業後ギターソロで路上ライブを重ね、様々なアーティストとの出会いによって次々と仕事に繋がり、現在は自身の作品づくりやライブから、CMや映像など様々な作品への楽曲提供を行っています。
今回はわたなべさんのお仕事や生き方、作品について、そして枚方の好きな場所や関わりなどについて、ひらいろ編集部がたっぷりお話を伺ってきました。
【ABOUT】わたなべゆう/Yu Watanabe
岡山県生まれ、枚方市在住のアコースティックギタリスト。作曲活動も行いながら、音楽と絵本を融合させた作品を制作し、数々の賞を受賞。ライブを全国で行いながら、アメリカ、タイ、香港、中国など海外での演奏活動も積極的に行う。
心に届くあたたかい音色は老若男女問わず圧倒的な支持を得ている。
公式サイト:https://www.watanabeyu.info/
お仕事について
ーわたなべゆうさんの肩書きを教えてください。
ギタリスト、作曲家、絵本作家です。
コロナで活動のスタンスは変わりましたが、基本的にはギタリストとして演奏活動をしています。これと合わせて、自分のオリジナル曲を作ったり、企業から依頼を受けて曲を作ったりしています。
その活動の中で、絵本作品も今まで4冊出していて、12月に新しい作品も出す予定なんです。
おいたち・今のお仕事に至るまでの経緯や職歴
ーわたなべゆうさんのこれまでのおいたちを教えてください。
家族に教師が多くて、高校時代は教師を目指していました。
でも、「音楽をやりたい」という気持ちがどんどん大きくなって、半年くらいで高校を辞めました。でも親にはその時に「音楽をやりたい」って口が裂けても言えなくて、「新しい高校に入りたい」っていう名目で中退して、受験したんです。
2回目の高校受験もうまくいって、入試の成績も2位で入学したんですよ!ただ、今までの高校でしてきたことは全部リセットしたかったので新しい高校では全く勉強せず、卒業する頃には成績も最下位くらいでした(笑)
その後、大阪で音楽専門学校に入学しました。2年間音楽の勉強をして、バンドなどで音楽活動をしました。バンドが解散してからは一人でアコースティックギターの活動を開始。
年齢で言うと、専門学校を21歳ぐらいに卒業して、多分24、5歳くらいの時に今のような活動を始めました。
人生のターニングポイント
ーこれまでの活動の中でターニングポイントはいつでしたか?
僕はずっとエレキギターを弾いていて、バンド解散後、一人ではなかなか食べていけませんでした。
(バンドが解散したあとで)アコースティックギターを始めてから活動の幅が広がったので、アコースティックギターに持ち替えたのは人生のターニングポイントだったと思います。
ーアコースティックギターに切り替えたのは何かきっかけがあったんでしょうか?
バンドを解散して一人になった時に、エレキギターだと音楽を作れなくて、ソロのアコースティックギターにトライしてみました。アコースティックギターを買ってからは一人でも活動できるようになったので、ストリートライブをスタートして。
初めはレパートリーもなくてずっと同じ3曲を弾き続けていましたが(笑)
ー大阪のどの辺でストリートライブをされていたんですか?
北新地や、京橋などでやっていましたね。
ーそうなんですね!近いのでもしかしたらお見かけしたことがあるかもしれないですね。
そうかもしれないですね!
印象に残っているお仕事
ーこれまでで印象に残っているたお仕事はありますか?
SING LIKE TALKINGの佐藤竹善さんという僕の憧れの方がいるんですけど、28,29歳ぐらいのときに大阪の野外イベントでご一緒させてもらって、打ち上げで最後まで残っていたのが僕と竹善さんだったんです。
その時に初めて作った絵本の「くまのマク」という作品をお渡しして、後日竹善さんから「いい作品だね。絵本と歌のコラボレーションは珍しくていい世界が広がっている」って言ってもらえたんです。
絵本は製作費が歌よりも高いので、最初は絵本は作るつもりはありませんでした。
だけど、憧れの竹善さんからいいと言ってもらえたんだったらこのまま続けようと思い、すぐに2冊目を作りました。
僕の中では、竹善さんは日本でトップクラスの音楽レベルだと思っていて、そんな竹善さんとライブなどでご一緒させてもらったり、絵本を読んでもらったりすることが僕の自信にも繋がっていますね。
作品を作る上で大切にしていること
ー作品を作る上で大切にされていることはなんですか?
自分にうそをつかない、妥協をしないことです。
僕が10代の頃はCDが一番売れていた時代で、新譜を買いに行くのが流行っていました。そんな当時憧れていたような作品を自分で作り続けたいと思っています。
今の活動って作品制作のペースが自分次第で、作りたいと思った歌が(音響機器が揃っていて)作れる環境なんですね。ひと昔前とは違ってレコーディングも工夫できるので、自分の作品をより深く作っていきたいと思っています。
つまり、一言で言うと「嘘をつかない」ということです。
自分が作りたいものを明確に見据えて、それに近づいていけるように曲を作ったりレコーディングしたりしています。
ー絵本の作品は歌手でもある奥様(初田悦子さん)と一緒に作られているんですか?
僕が物語を作って、ページごとに曲を作っています。
歌詞がほしいっていう曲に関しては妻・初田悦子さんに歌詞を書いてもらったり、物語の文章を客観的に読んでもらっています。
あとは僕は絵は描けないので、僕の好きな絵を描いているアーティストさんにお願いしています!
わたなべゆうさんの1日
ーわたなべゆうさんは1日をどのように過ごされているんですか?
毎朝5時ごろ起きて散歩して、蹉跎神社でお参りしています。
そして朝7時ごろに帰ってきて、昼くらいまで曲作りや練習。昼寝して、また夕方ごろには曲作ったりしています。
夕方くらいまで曲作りをしたらそれで満足するので、その後はアニメ見たりします。
ライブとかがなければ、こんな感じです。
自分の中で割とルーティンみたいになっています。もちろんライブとかレコーディングがあったりもするんですけど。
ーとても規則的で健康的ですね!ちょっと意外でした。
毎朝の蹉跎神社でのお参りでは「世界中で愛される作品になりますように」ってお祈りしています。
影響を受けた人や作品
ーこれまで影響を受けた人や作品はありますか?
影響を受けているミュージシャンはビートルズ、B’z、ユニコーンです。
好きなミュージシャンとかは沢山いますけど、自分がこれまで関わってきた人で言えば先ほどお伝えした、佐藤竹善さんの音楽に対する姿勢や考え方をすごく尊敬しているし、竹善さんのような心持ちで音楽と向き合っていきたいなって思っています。
あとは妻をプロデュースしていた鎌田雅人さんです。作曲する上ですごい勉強になりますし、影響が大きいです。
今後の展望・やりたいこと
ー今後の展望や今後やっていきたいことを教えてください。
もっと若い時は、もちろん自分が未熟なのは分かっていたんですけど、自分が作った音楽は良いって信じていて、このままいけば、自分の(音楽の)世界は変わっていくんじゃないかって思っていました。
ですけど、今の自分を客観視して、そういうことではないんだなと気づいてきたんです。ライブパフォーマンスでお客さんを沸かせたい気持ちもあります。ですけど、歌が上手い人は世界中にたくさんいますし、パフォーマーとしての自分も磨いていきたいけど、作品だったら世界に届くんじゃないかなと思っています。
ギターインストだったら言葉の壁は越えられます。絵本は日本語ですけど、小説とは違って、訳もしやすいです。だからこそ、(自分が作った)作品を世界中の多くの人に届けていきたいです。
世界中の人に届けると、人によって好き嫌いが分かれると思います。なので、好きと思ってくれている人にもっと(自分の作品を)届けたいなと思います。
届ける手段が今は昔よりたくさんあるので(YouTubeなどのSNS)、それを自分なりに研究しつつ、良い作品を届けていきたいです。
コロナ禍もいいきっかけになりました。自分の(ライブ)活動がいい意味でも悪い意味でもストップしたので、ここで変わらなければって思えました。コロナ禍が明けるまでいろいろ試行錯誤していかないと思っています。
ーマイナスに考えがちなコロナ禍でこんな風にポジティブに考えられているのが素晴らしいです。
ライブができないのはなんだかもどかしいですけどね。そんなことを言ってても仕方がないので(笑)
今後のイベント、展示会の予定
ー今後開催されるイベントやライブはありますか?
2021年12月26日(日)に「空の国のハルメン」という歌と絵本を融合させた作品を出します。
また、12月26日(日)に枚方総合文化芸術センターのひらしんイベントホールで発売イベント「15周年&空の国のハルメン発売記念ツアー 大阪公演」を開催します。予約制です。
▼予約・お問い合わせは、こちらのメールアドレスまでご連絡下さい!
watanabeyuumaru@yahoo.ne.jp
わたなべゆうさんの代表作品
・絵本音楽「空の国のハルメン」
・カバーアルバム「This cover 6 J-Pop」
・ベスト盤「『Gerbera for you』 15th Anniversary ~Solo Guitar Best~」
わたなべゆうさんの経歴
2006年にフィンガーピッキングコンテストで優勝。
翌年アメリカカンサス州で行われたウォルナットバレーフェスティバルに日本代表で出場。
2015年活動10周年を記念して絵本とCDの作品 『マクの約束』『バクの夢』を2枚同時リリース。
『バクの夢』収録の『初恋』がSing Like Talkingの佐 藤竹善氏のベストアルバムに収録され話題となる。
2017年、レベッカのNOKKOのソロアルバム『True Woman』のレコーディングに参加。
2020年活動15周年を記念してベスト盤『Gerbera for you』『Beside you』を2枚同時リリース。
2020年、『くまのマク』が第6回絵本出版賞で優秀賞を受賞。
2020年、『バクの夢』が第13回絵本児童書大賞で読者賞を受賞。
2021年、第1回メルカリギターコンテストで最優秀賞を受賞。
2021年『This cover 6 J-Pop』と『This cover 7 Queen』をリリース。
ライブを全国で行いながら、アメリカ、タイ、香 港、中国など海外での演奏活動も積極的に行う。
心に届くあたたかい音色は老若男女問わず圧倒的な支持を得ている。
今までの主な仕事
●キングコング西野亮廣氏の絵本『チックタック~ 約束の時計台~』の読み聞かせ動画に音楽を提供。
著者 西野亮廣 朗読 戸田恵子 音楽 わたなべゆう
●NOKKO 『TRUE WOMAN』
M-10「恋に堕ちたら」(acoustic version)作詞: NOKKO / 作曲:REBECCA
guitarで参加。
●佐藤竹善 『Your Christmas Day M8. What A Wonderful World
M 9. The More We Try arrange&guitarで参加。
●佐藤竹善 『3 STEPS & MORE ~THE SELECTION OF SOLO ORIGINAL &COLLABORATION~』
わたなべゆう作曲の『初恋 with佐藤竹善』が収録。
●SAKURA 『Ukulele Love』
M7.E Pili Mai (Come to Me) M10.街のあかり escort by わたなべゆう arrange&guitarで参加。
●SAKURA 『G.L.M.~Girl’s Life Music~』 M8.Pua Meliaを書き下ろしで提供。
●金鳥蚊取線香 CMソング作曲&guitar演
広告賞ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS 『ACCゴールド』受賞。
●HKプレミアムドラマ鴨川食堂 主演:忽那汐里、岩下志麻、萩原健一、
劇中曲にguitarで参加。
●『シェイクスピア物語』~真実の愛~ 主演:上川隆也、観月ありさ、五関晃一、藤本隆宏、小川菜摘、秋野太作、十朱幸代
劇中曲にguitarで参加。
枚方を題材にした作品
ー枚方を題材にした曲はありますか?
枚方の夕日が好きで、「君と夕日」は夕日を見て作りました。
枚方の好きなお店・場所
ー枚方で好きなお店や場所はありますか?
毎朝訪れる蹉跎神社
HISUI201
熟成肉×創作鉄板焼きヒスイ【HISUI201】 – 枚方 – ぐるなび
によく行きますね。
ーわたなべゆうさん、お忙しいところ楽しいお話をありがとうございました!
【ABOUT】わたなべゆう/Yu Watanabe
岡山県生まれ、枚方市在住のアコースティックギタリスト。作曲活動も行いながら、音楽と絵本を融合させた作品を制作し、数々の賞を受賞。ライブを全国で行いながら、アメリカ、タイ、香港、中国など海外での演奏活動も積極的に行う。
心に届くあたたかい音色は老若男女問わず圧倒的な支持を得ている。
公式サイト:https://www.watanabeyu.info/