\枚方の郷土料理をお家でつくってみよう♪/
皆さんは枚方市に伝わる郷土料理をご存知でしょうか?
今回は、枚方や北河内に伝わる料理を現代風においしくアレンジしたレシピをご紹介します。
ご紹介する4つのメニューは枚方市立小中学校給食でも実際に提供されています。
今日はわたしたちが解説するよ!


枚方市食育推進キャラクター
皆さんもぜひおうちで作ってみてくださいね。

たとえば、江戸時代にくらわんか舟で声をかけて売られていた「ごんぼ汁」、枝豆をすりつぶして作る鮮やかな「くるみもち」、保存食として工夫された「じゃこ豆」、そして特別な日のごちそう「さば寿司」。
どれも栄養価が高く、今の食卓にも取り入れやすいものばかりです。
※レシピは枚方市学校給食会栄養士研究部会が作成したものを参考にしています。
すももちゃん親子で一緒に作りながら、食を通して枚方の地域の歴史や文化に触れてみてね!
食べるだけじゃない! 郷土料理が教えてくれる「知る」楽しさ
枚方の郷土料理は、淀川の交通や交流、そして地域の暮らしの工夫から生まれました。
江戸時代、京都と大阪を結ぶ三十石船が行き交う淀川では、「ごんぼ汁くらわんか!」と声をかけて食べ物を売る「くらわんか舟」が、旅人に親しまれていたといいます。
ごんぼ汁やくるみもち、じゃこ豆は、そんなくらわんか舟に由来し、枚方宿の名物として愛されてきた庶民の味です。
一方、「さば寿司」は、祭礼や秋祭りに欠かせないハレの日のごちそう。海のない枚方にも、鯖街道を通じてさばが運ばれていました。



昔は魚がとっても貴重だったんだよ。だからお祭りの日に食べられる焼きさば寿司は特別なごちそうだったんだね。
郷土料理には地域の農業や暮らしの知恵も色濃く残っています。
ごんぼ汁の「ごんぼ」は大阪弁で、ごぼうのこと。
田んぼの畦(あぜ)に植えた枝豆は、すりつぶして砂糖を混ぜ、鮮やかな緑のあんに仕立てて「くるみもち」に。
淀川でとれた川エビと大豆を煮た「じゃこ豆」は、保存食として作られていました。









こうした背景を知って食べると、料理は食べるだけではなく、地域の歴史や人々の暮らしを伝えてくれる物語になります。
枚方の郷土料理4品レシピ
今回は枚方市役所で食育を担当する管理栄養士の松本さんに実際に作っていただきました!その様子をレポートします。
●ごんぼ汁
枚方を代表する郷土料理のひとつ。ごぼう(ごんぼ)と卯の花(おから)を使った、あっさり味のすまし汁です。





江戸時代の「くらわんか舟」でも売られていた、素朴ながら滋味深く、地域の歴史ある一品だよ!
材料(4人分)
| 鶏もも肉(皮なし) | 40g |
| ごぼう | 1/5本(40g) |
| 人参 | 3cm(40g) |
| 大根 | 1cm(40g) |
| うす揚げ | 1と1/2枚(20g) |
| 青ねぎ | 1本弱(20g) |
| おから | 15g |
| だし汁 | 440ml |
| ・酒 | 小さじ1弱 |
| ・濃口しょうゆ | 小さじ2 |
| ・塩 | 小さじ1/4強 |
栄養価(1人分)
| エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食塩相当量 |
| 47kcal | 4.3g | 1.9g | 4.3g | 0.9g |


作り方
【下ごしらえ】
まずは具材の準備から。鶏もも肉は1cm角に、ごぼうはささがきにして水にさらします。






にんじんと大根はそれぞれいちょう切りに。うす揚げは油抜きをして短冊切り、青ねぎは小口切りにします。



当時の具材は鶏肉とごぼうと揚げだけだったけど、具をたっぷり入れると旨みと栄養がアップするよ!
①おからを準備




別の器でおからを少量のだし汁で溶いておきます。



おからを加えると、調味料が少なめでもおいしく食べられるんだよ。



なるほど。昔の人の知恵だね。
②だしで煮る
鍋にだし汁を入れて火にかけ、沸騰したら鶏肉を入れます。アクを丁寧に取りながら、ごぼう、にんじん、大根、うす揚げを順番に加えて煮ていきます。








③調味料と仕上げ
具材に火が通ったら、酒・濃口しょうゆ・塩で味をととのえ、だし汁で溶いたおからを加えます。ひと煮たちしたら青ねぎを加え完成!






出来上がり



ごぼうの香りと鶏の旨みが合わさって、ほっとする味わい。ひとくち食べると、やさしい旨みとおからのふんわり感が広がるよ。
●さば寿司
※写真・レシピは焼きさば手巻き寿司


秋祭りやハレの日に欠かせない特別なごちそう。
古くは鯖街道を通って、福井から京都へ運ばれたさばを使った寿司がさば寿司の発祥といわれており、海のない枚方にも鯖街道を通じてさばが運ばれていました。



香ばしく焼いたさばと酢飯の相性は抜群だよ!
材料(4人分)
| 酢飯 | 2合(600g) |
| さば(3枚おろし) | 4切れ(200g) |
| 塩 | 小さじ1/8 |
| 焼きのり | 1枚 |
| タレ | |
| ・砂糖 | 小さじ1/3 |
| ・米酢 | 小さじ4/5 |
| ・薄口しょうゆ | 小さじ1/3 |
栄養価(1人分)
| エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食塩相当量 |
| 360kcal | 14.4g | 8.9g | 60.1g | 1.7g |


作り方
【下ごしらえ】


さばに軽く塩をふり、下味をつけます。



塩をふることで臭みが取れて、旨みがぐっと引き立つよ。
①さばを焼く


魚焼きグリルやフライパンにさばを並べ、こんがりと焼きます。香ばしい匂いが広がると、子どもたちも思わずキッチンに集まってきそうです。
②タレをつくる
鍋に砂糖・米酢・薄口しょうゆを入れ、ひと煮立ちさせます。(電子レンジでもOK)
③さばにタレをからめる


焼き上がったさばにタレを加え、全体にからめます。



甘酸っぱい香りが食欲をそそるよ!
④巻いて食べる






焼きのりを広げ、その上に酢飯とタレをからめたさばをのせ、きゅっと巻けば完成!
出来上がり



特別な日にみんなで食べるからこそ、ごちそうとして記憶に残るね。



昔は魚が貴重だったから、お祭りの日に食べられるのはとても特別なことだったんだね。
●じゃこ豆


大豆と桜えびを甘辛く煮た、昔ながらの保存食。栄養価も高く、子どものおやつやお弁当のおかずとしても人気のレシピです。
北河内地域では、昔は淀川でとれた川えびを使って大豆と一緒に煮ていたそうです。川えび獲りは当時の男児の遊び。江戸時代には淀川でうなぎやドジョウもたくさん獲れました。
材料(4人分)
| 桜えび | 大さじ6(12g) |
| 大豆(水煮) | 60g |
| 砂糖 | 大さじ1弱 |
| 濃口しょうゆ | 小さじ1 |
栄養価(1人分)
| エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食塩相当量 |
| 36kcal | 4.0g | 1.1g | 3.3g | 0.4g |


作り方
①大豆を鍋に入れ、火にかける
ひたひたになるくらい水(分量外)を加えて、火にかけます。
②沸騰したら調味料を加える


砂糖、濃口しょうゆを加え、大豆に味がつくまで煮ます。


③桜えびを加える




桜えびを加えて、ひと煮たちさせます。





焦がさないように、弱火でゆっくり煮るのがポイント!



桜えびを混ぜたり味見をしたりしながら、親子で会話を楽しめる郷土料理だよ。
●くるみもち


枝豆をすりつぶして砂糖を加えた鮮やかな緑のあんを、やわらかいお団子にからめます。子どもと一緒に作るのにぴったりのメニューでもあります。
くるみもちは、秋祭りに豊作を祝うとともに、来年の豊作を祈るために食べられていました。
団子をあんでくるむことから、名前も「くるみもち」と呼ばれるようになったそうです。
材料(4人分)
| 白玉粉 | 160g |
| あん | |
| ・枝豆(さやつき) | 120g |
| ・砂糖 | 大さじ1弱 |
| ・塩 | 少々 |
| ・水 | 大さじ2 |
栄養価(1人分)
| エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食塩相当量 |
| 165kcal | 4.3g | 1.3g | 35.3g | 0.1g |


作り方
①白玉を丸めてゆでる
白玉粉に少量ずつ水(分量外)を加え、耳たぶくらいのやわらかさになるまで混ぜます。


一口サイズに丸めたら、沸騰したお湯に入れ、浮き上がって1分ほどゆでた後、冷水にとります。







白玉を手で丸める作業が楽しいよ!
②枝豆を準備する


枝豆をゆで、さやから取り出します(薄皮も取り除く)。冷凍の場合は、電子レンジで加熱してもOKです。
③あんをつくる
ミキサーやすり鉢に枝豆、砂糖、塩、水を加え、なめらかになるまでつぶします。









鮮やかな緑色のあんがとてもキレイ!!
④白玉にあんをからめる




ゆでた白玉を枝豆あんでくるむように和えます。



甘さ控えめで、豆の風味がしっかり楽しめるよ。小さいお子さんが食べる場合は、のどにつまらせないよう、大きさを調整してね!
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ごんぼ汁、さば寿司、じゃこ豆、くるみもち。枚方の郷土料理4品を通して、ただ食べるだけではなく、知る楽しさも体験できます。
昔の人々がどのように食材を工夫してきたか、どんな行事や季節を楽しんできたかを知ることは、子どもにとっても貴重な学びです。
親子で一緒に料理を作りながら「どうしてこの料理が生まれたの?」「昔に人はどうやって食べていたの?」と会話する時間は、食育の大切なひとときになりますね。



普段の食卓でも、1品郷土料理を取り入れるだけで、地域の歴史や文化を感じ取ることができるよ。



今回の4品をきっかけに、親子で料理を楽しみながら、枚方ならではの味を次の世代にも伝えていきたいね♪
さらに、食育について深く知りたいときは、ぜひ枚方市食育推進ネットワーク会議が運営するポータルサイト『ひらかた食育の環』をご覧ください。


食育にまつわる情報がぎゅっと詰まった頼もしいサイトなので、きっと食卓に新しい発見が広がりますよ♪
